5月25日、かつての職場仲間と奈良県明日香村散策に行ってきました。
この会は2004年4月の第一回を皮切りに、21年続いていて、今回が41回目です。
おおよそ年2回のペースで開催されていますが、最近は悠々自適となり時間の余裕がある人も増えて、年4回開催にペースアップしています 笑
最初のころは、参加者は50歳前後だったので、六甲山を越えて有馬温泉へ行くなど、
意欲的なコースが多かったのですが、最近は故障がちの人も増えてきて、4~5キロの散策が主体になりました。
年齢相応ですね 笑
今回の集合場所は、近鉄南大阪線橿原神宮前駅に午前9時15分。
ここから明日香村周遊バス「亀バス」に乗り込んで、飛鳥大仏バス停まで。
飛鳥寺は蘇我氏により建立され、寺に安置された飛鳥大仏は日本最古の大仏です。
大仏の制作は鞍作の鳥(止利仏師)
私は、この大仏さんは何度も拝観しているのですが、
何度見ても(いい顔しているなあ)と思います。
日本最古だけあって、様々な伝承や逸話がありますが
他の仏のような取りすました顔ではなく
人間臭い顔が好きですね。
ところで、飛鳥寺建立くらいまでは、我々の時代の歴史の教科書にも
載っていました。
載っていないのは、大化の改新。
これが乙巳(いっし)の変に代わっているそうです。
蘇我氏と聖徳太子の蜜月から、蘇我氏と中大兄皇子・中臣鎌足との対立、
蘇我氏滅亡から天皇主体の律令政治の開始と藤原氏の勃興など
古代史好きにはたまらない展開ですが、耳に馴染んだ大化の改新が
いつの間にか乙巳の変に置き換えられると、ふるいOSを使っている身としては
バージョンアップしないと話に付いて行けませんね 笑
飛鳥寺を出てしばらく歩くと酒船石遺跡。
以前は小高い山に大きな酒船石が置かれていて、
「なんやこれ?何の石やろ?」と思って通り過ぎていたのですが
今回の散策では、山の下に設置された湧水設備(2000年に発見された)と
併せて説明を聞きました。
諸説あるらしいのですが、有力な説(ブラタモリ推奨?笑)では
湧水設備で採取された神聖な水を、小高い山の酒船石に運び
笹の小船を流して、大切な国策(例えば百済出兵)を占ったのではないか?
というのです。
さらに酒船石は「さけふねいし」ではなくて、もともとは「ささふねいし」ではなかったか?
という解釈もあるようで、古代史ファンにとって、大発見だったようです。
日本書紀には、小高い山を造るのに7万人、
石を運ぶ運河を掘るのに3万人を要したという記述があるそうですので
まさに古代神政政治の中枢だったわけです。
このあたりの説明は、地元のボランティアガイドさんとともに
我々の職場の後輩で奈良検定保持者の方が、案内役を引き受けてくれて
訪れる遺跡ごとに話してくれました。
この後は飛鳥宮跡から犬養万葉記念館を回りました。
案内人さんは、子供のころころから古代史好きで
大学の入学式で犬養教授が万葉集がテーマの記念講演をしてくれたことを
昨日のことのように感激して話してくれました。
感激のあまり、改修のため休館していた記念館の前で
犬養教授の声色をまねて、万葉集に収められた詩を高らかに謡ってくれました。
万葉記念館から岡寺参道前を過ぎて、橘寺へ向かいました。
ここは聖徳太子ゆかりの寺です。
境内には古くからの建物が立ち並びますが、
周囲の敷地や、北側にある川原寺遺跡などをみていると
往時は相当広大な敷地を持つお寺だったのだろうと思いますね。
案内人さんは、二面石や塔心礎について説明してくれ、参加者は熱心に聞き入っていました。
ここで、雨が降り出してきて、傘を差しながら川原寺から亀石へ。
この大石の由来も諸説ありますが、結局は不明。
明日香村の石造物の由来や目的には、いずれも諸説あって
古代史のファンはそれぞれを楽しんでいるようです。
最後は明日香村役場。
ここで昼食場所の食事処からの送迎バスに乗って「和楽心」へ
食事処に着いたところで、案内人さんとはお別れ。
実は彼は、某銀行のお偉いさんで、日曜日にもかかわらず昼から出張とのこと。
一同、心からお礼を言って、お別れしました。
さて宴会のメインは、各自の近況報告。
といっても年4回も会うようになってからは、そんなに変化もなく
放っておくと病気の話ばかりになるので、宴会幹事から毎回課題が出されます。
今回の課題は「入社3~5年目で、将来の方向性が決まったころの思い出」
この課題がおおウケでした。
というのは、我々の会社は(主観に依りますが)人材育成に重点主義を取っていました。
平たく言えば、たくさん研修に行って優遇された?人と
いきなり現場に放り込まれて、研修もなく、地べたを這いまわった人がいるのです 笑
40年近い年月を経て、この時の恨み(?笑)が一度に噴出しました 笑
参加者の中には、同期生で一番研修にいって「研修泥棒」と呼ばれた人と
一度も研修が無かった人がいて、そのコントラスト(格差?笑)が話されるたびに
みんなは手をたたいて大笑いしていました。
格差(?)の詳細については、差しさわりがあるので書きませんが、
会社員を長くやっていると、退職して70歳前後になっても、
会社員時代の思い出は、強烈ですね 笑
というわけで、宴会時間はあっという間に終わり 笑
参加者は三々五々家路につきました。
次回は、9月に奈良県と三重県の境にある赤目四十八滝を散策する予定です。
宴会幹事さんは、おそらく今から次の課題に頭を悩ませているでしょうね。
楽しみです 笑