10月4日、FP協会奈良支部参加の大和八木SGで、なかのアセットマネジメントの中野社長のお話を聞く機会がありました。
中野社長の話を聞く機会は何度となくあって、国策や構造改革の見地から、資産運用の大きな流れを話してもらえるので、とても参考になります。
今回のお話の根底にあるのは、第二次大戦後1990年ごろまで続いた冷戦が、ソビエト連邦の崩壊により終焉。
その後の米国一強体制の下で続いたグローバリズムが、ウクライナ戦争とトランプ大統領の登場により終焉。
今後は、米中対立を含む、ブロック経済に移行することで、グローバリゼーション中は
息を潜めていたインフレーションが再び世界の基調になるということでした。
私は大学のシニアコースで米国政治の授業をしている関係で、各種書籍を読み、新聞や
ネットから情報を集めているのですが、米国に限って言えば、グローバリズムで自由に
才能を発揮させて、ITを中心に経済を牽引した人達の背後には、急激な進歩や価値転換に
付いて行けない、多くのサイレントマジョリティが存在しており、その人たちが自分たちの生活、自分たちの価値観(白人優位主義・キリスト教プロテスタントの価値観)が破壊される恐怖に反乱を起こしたように思えます。
この動きが、非論理的に思えるトランプ大統領の「関税の壁」や「国境の壁」政策を
熱烈に支持し、グローバリズムに反対を唱えて、米国を孤立主義に返そうとしている
と感じています。
世界のGDPの25%を占め、経済と軍事の中心である米国が、ほかの国に対して
後ろを向いてしまえば、世界は混乱して、今までとは逆の現象が起きる可能性は
極めて高くなります。
中野さんのお話は、米国発の潮流転換がインフレ基調となって現れ、資産運用の世界では、
日本の伝統的な間接金融から直接金融に大きく変わっていくということです。
普段、大阪に海外の金融関連機関を誘致する仕事をしていると、スタートアップ企業の活力と、勢いのあるスタートアップ企業に投資するベンチャーキャピタルの活動から、日本の金融界や産業を変革していくのは、間接金融の銀行ではなくて、エクイティに出資していく人達かもしれないなあと感じますね。
中野さんが予見する大きな潮流の変化には、マーケットを含む、経済や生活の大きな変化が伴います。
実際に、最近の食料品などの値上げ率は2桁が当たり前のようになっています。
岩盤のように思われた日本の低金利も、国債の金利などを見ていると、徐々に岩盤が
崩れだしているようです。
今後、どのような変化が現れるかは分かりませんが、資産運用とライフプランをアドバイスするFPとしては、精一杯アンテナを張って、情報収集と判断力ブラッシュアップに
努める必要がありそうですね。