11月20日の日本経済新聞電子版に心理カウンセラーの下園壮太氏の、「加齢とともに固くなる「心と体」心の柔軟性とバランスを大切に」という記事が掲載されています。
確かに、年齢を重ねると身体は固くなります。
若いころは前屈で掌が地面に着いたのに、社会人になりデスクワークを重ねると、地面に
指先もつかないという人はたくさんいるでしょう。
しかし下園さんが重視しているのは、「心の柔軟性」です。
例えば、人が大切にする価値観には、「一番になりたい(勝ちたい)、恋愛相手を見つけたい、仲間が欲しい、集めたい(ため込みたい)、健康になりたい、教えたい、育てたい」といったものがあります。
若いころは、「一番になりたい、勝ちたい、集めたい、モテたい」という方向にグッと向いていた価値観が、年齢を重ねると、「仲間が欲しい、健康になりたい、教えたい、育てたい」といったものにシフトしていきます。
(時々、シフトしない人も見受けられますが 笑)
上記のような変化が、結局は「好き」とか「楽しみ」につながっていきます。
現役のころは仕事最優先で、友人なんていらない、などと軽んじていた人間関係の大切さが
年を取って分かってきたという人もいるでしょう。
自分が培ってきた技術を後輩に伝えたい、教えたいと思う人もいます。
私の経験でも、定年前くらいから、小中学校の同窓会の連絡が増えたなあという記憶があります。
現役の社会人を退くにあたって、競争意識が弱まり、昔の人間関係へのなつかしさが勝ってくるのでしょう。
現役のころに会っていたら感じたかもしれない「羨望」や「嫉妬」も、幾分かは弱い感情になります。
自分自身の周囲を、改めて見回してみると、高校時代に全く付き合いのなかった同級生たちと会う機会が一番多かったりします 笑
その次に多いのが、新卒で入社した会社の同期生たちです。
彼らとは、定期的にハイキングに行って、そのあと飲み会をやっています。
大学時代の学部の同級生たちとは、昨年の同窓会で作成したライングループでつながっています。
大学のサッカー部の先輩後輩ともラインですね。
年に一回程度は、フットサルで実際に会うこともあります。
趣味のランニング仲間や、定年後に始めたFP関連の知人たちとも会うことも多いですね。
全員とは、気楽で楽しい交流を続けています。
間接的に仕事を紹介してもらったことや、病気になった時に助けてもらったこともあるので、とてもありがたい交流です。
逆に全くご縁がないのが仕事で知り合った人たちです。
正社員、契約社員を含めて、現在の職場は、5つ目なのですが、最初の職場の同期生以外は
実際にもSNSでも接触はゼロです。
数年前に年賀状をやめたので、その時にほとんどのご縁は切れてしまいました。
今の交流では、当然ながら、「一番になりたい、勝ちたい、集めたい、モテたい」などと思うことは全くありません。
下園さんが言う、「仲間が欲しい、健康になりたい、教えたい、育てたい」のうちでは、
仲間と楽しく付き合うことが中心です。
特にランニング仲間とは「健康になりたい」こともオマケに付いてきますね 笑
「教えたい」は、友達が間接的に紹介してくれた大学のシニアコース授業を行うことで
満たされています。
教えるためには、準備も含めて、相当勉強しなければならないので、学習意欲も満たされますね。
「育てたい」ということでは、現在の職場で、自分の知識や経験を若い人たちの業務に
役立ててほしいというスタンスで仕事をしています。
仲間と楽しく交流し、ほかの人を教え、育てるための基本姿勢は、やはり「貢献」です。
「利他」等とも言いますが、自分よりも他人の為に行動することが大切です。
というか、70歳を超えると、自分の為に必死でやりたいことが、あまりありませんね 笑
自分の欲望を消去して生きていくことは、仏教の極意のような感じです。
自分ができることをやって、最後は神に委ねるのがキリスト教の極意(?)とすると、
私の奥底には、日本古来の仏教の影響が大きそうです。
奈良県に30年近く住んで、密教の聖地である深山を走り回ったせいでしょうか? 笑