• 定年男子のランとマネー

マドリード

首都マドリードの旧市街は全く変わっていなかった。

ところが市の北部への拡張は目を見張るものがあった。以前はジプシーが羊を追っていた場所が、高級住宅街に生まれ変わっていた。

今回のスペイン訪問で気づいたのは、ジプシーを見かけなかったことだ。以前は街中での物乞いや子供による窃盗を始め、荷馬車にのる姿や羊を追う姿が頻繁に見られた。

グラナダのアルハンブラ宮殿の裏側にアルバイシンと呼ばれるジプシーが集団で竪穴住居生活を営む場所がある。竪穴がなくなっていてジプシーを見かけないので、ガイドにジプシーが豊かになり生活が改善したのか聞いてみたが「それは絶対ない」と断言された。EUに加盟しても格差は相変わらず存在する。もっとも定住化が進んだのは確かなようだ。

マドリードでは、プラド美術館でグレコ・ベラスケス・ゴヤ等のスペインを代表する画家の絵を見た。絵自体は30年前と変わらないのだが、今回ゴヤの絵を見て改めて感じたことがある。

ゴヤは宮廷画家としてカルロス4世の家族を描いているが、その中に王妃と宰相ゴドイの不倫への批判を暗示している。廷臣ゴドイに頼り切り、不倫に気づかないカルロス4世を風刺しているのだ。

また「180853日」でナポレオンの侵略とスペイン人民の反抗を描いている。いずれもブルボン王室の歴史に関連するものだ。

最後はソフィア王妃センターにあるピカソの「ゲルニカ」を見た。これらの絵画はスペイン国内外の多くの来訪者に、スペインの歴史と為政者たちのかかわりを雄弁に物語っている。そしてスペイン王室のイメージを無言のうちに形成しているのである。

(写真はレアルマドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウです。1982年のサッカーワールドカップ決勝戦が行われました。当時は近くのオフィスで遅くまで仕事していました 涙)


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