• 定年男子のランとマネー

7月27日、京都のとある場所で禅宗のお坊さんのお話を聞く機会がありました。

妙心寺退蔵院副住職の松山大耕さんです。

1978年生まれの若いお坊さんです。

(1978年は僕が就職した年なので、
自分の年齢への感慨を込めて「若い」と書かせていただきます。笑)

会場でご著書(ビジネスZEN入門)が販売されていたので、1冊買ってサインを戴きました。

松山さんは書籍のなかで「」と「ZEN」という表記を使い分けておられます。

(初めにお断りしておきますが、松山さんは決してZENを否定されているわけではありません

むしろZENを肯定的に捉えたうえで、日本独自の禅について述べておられます)

」はインド、中国をへて約1000年前に日本に伝わった、仏教の一派です。

現在はインドにも中国にも「禅」は殆ど残されていないそうで、日本独自のものと言って良いそうです。

ZEN」は日本から世界に広まったものです。

松山さんは書籍の中でスティーブ・ジョブズの例を再三引いておられますが、

iPhoneのデザインの底流に流れるジョブズの考え方は「ZEN」から大きな影響を受けています。

ZENとゲイン

 

僕は禅に詳しいわけではないのですが、書籍と講話から理解した松山さんの禅に対する考え方の一端をご紹介したいと思います。

松山さんによれば、「ZEN」はゲインを求め、「禅」はルーズを良しとするそうです。

僕はランナー(遅いけど 笑)なので、ランニングの例でご説明します。

(時々、ランニングを「走る禅」と言う人もいますね)

以下松山さんのご著書からの引用と抜粋です。(p86-87)

ニューヨークのコロンビア大学大学院でMBAコースに在籍している学生40名が妙心寺に座禅や精進料理を学びに来た時の話です。

松山さんは彼らにマインドフルネスの違いにつき例を引いて説明されました。

「セントラルパークでランニングするのを日課にしている人はいますか?」
15名くらいが手をあげました。
「では何のためにランニングをしているのでしょうか?」
「痩せたいから」「リフレッシュしたいから」など様々な回答がありました。

まさにそういう考え方がマインドフルネスの欧米での持ち入れられ方です。

つまり何かご利益があるから走るのです。(筆者註:ゲインです)

 

しかし禅ではそういうものの捉え方はしません。

走るために走るのです

 

禅とルーズ

 

禅(仏教)の考え方は、信じることで何かを得ていくということではなく、むしろその逆です。(同書p9)

禅の考え方が、ルーズをもとにしていることについて松山さんはこのような説明をされています。

一つの食べ物にしても、それが好きな人もいれば嫌いな人もいます。

好きや嫌いと言った嗜好は生まれたときにはなかったはずです。

しかし、生きていろいろな経験を積むうちに自然とそうした気持ちが生まれてくる。(中略)

生きる中で身についてきたそれらのものによって、人間はだんだんと物事を素直に捉えられなくなるのです。(中略)

生きていく過程で自然と身についてしまった知識や分別などを削いでいくことで

「童心」に近づこうというのが仏教の考え方なのです。

何かを得ようとするのではなく、むしろ今まで積んできたことを崩していくこと。

つまり仏教が目指すのは、「ゲイン」ではなく「ルーズ」です

 

ここで自分の例を出すのは気が引けますが、ランニングをしていて自分の「癖」に気付くことがあります。

コーチやトレーナーについて「癖」を指摘されると、ランニングに限らず60年以上かかって身についた「癖」を治して

故障しないで走れる身体を作るのは一種の「修行」かもしれませんね。(笑)

定年退職後は、時間にも気持ちにも余裕ができたので、少しは「修行」を楽しむことが出来るようになりました。

成果はなかなか上がりませんが、「成果を求めてはいけない」という禅の教えは、僕にとって大きな救いです。(笑)

 

講話

 

今回の松山さんの講話は、約1時間で聴衆は京都のベンチャー企業の方々でしたので、

内容は「禅をビジネスに生かす」といった内容でした。

ブログの記事にしようかなと思って、一生懸命にノートをとりましたが、

せっかく買った書籍を読んでから書こうと思って読んだら、本のほうが面白かったですね。

(講話も面白かったです。念のため 笑)

講話は短いし、どうしてもポイントを列挙した実践的なお話になりますからね。

でも講話を聴かなければ、そもそも本や松山さんの存在すらも知らなかったわけですから、

この会に参加させてくれた職場の上司には感謝です。(笑)

松山さんのお話しだけではなく、ベンチャー企業4社の発表も興味あるものでした。

いままで知らなかった世界を広げていけるのも、定年男子の楽しみですね。



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