• 定年男子のランとマネー

1月25日、奈良県橿原市のミグランスコンベンションホールで、大江英樹さんを講師にお招きして、大和八木SGのセミナーを開催しました。

演題は「間違いだらけの公的年金知識」です。

会場は橿原市分庁舎の4階にあって、広くてすっきりしたホールでした。

大江さんも、会場に入るときに「いい感じで、やりやすそうですね」と感想を漏らしていました。

当日は、大江さんの話を期待して通常のセミナーの2倍超の40名超の方が集まってくれました。

もちろん満員の盛況で、大阪をはじめ、兵庫県からも来ていただいて、有難かったですね。

本来は全部話すと2時間半かかるテーマなのですが、お願いして90分に凝縮してお話しいただいたので、大江さんはもう少しかみ砕いて話したかったようでした。

でも、セミナー後の懇親会までお付き合いいただいて、そこで参加された皆さんとテーブルを回って議論に花を咲かせておられました。

セミナーの内容は多岐にわたるので、ここでは繰り返しませんが、公的年金が貯蓄ではなくて保険であること、現在の状況から考えると、財政的な基盤はある程度確立していて、今後の見通しも含めて徐々に改善しているということでした。

若い人が「公的年金は破綻する、または自分たちはどうせもらえない」と考えることに対して、大江さんは(もちろんブラックジョークなのですが)「払わない人がいるほうが、保険料を払っている人たちの運用利回りが上がるからありがたいですね」と言っていました。

大江さんが言うように、年金受給者への給付の原資は、年金保険料と税金です。

自分が年金保険料を払わなければ、自分への将来の給付がないので、プラスマイナスゼロと考える人が多いのだと思いますが、税金は給付の一部に使われていて、保険料を払わない人も税金は払っているはずなので、トータルで考えればやっぱりマイナスですね(笑)

ファイナンス理論で考えると、一定の収入に対して、期限の定めのない(受給者がいつ死ぬかわからない)給付をキャッシュフローで補足して、確定した支給金額を算出することは不可能でしょう。

これは大数の法則に基づいて、保険の理論を使って統計学的に考えていかないと支給の金額は決まらないと思います。

やはり死ぬまで払ってくれる公的年金は、貯蓄(金融)ではなくて保険なのです。

そして不確定で巨大な支払いリスクをとれるのは、民間では不可能で、徴税権をもっている国しかないでしょうね。

このことを踏まえて、セミナーの最後に、大江さんはWPPを提唱されていました。

Work Longer⇒長く働く

Private Pension⇒私的年金(企業年金、貯蓄など)

Public Pension⇒公的年金(死ぬまで支給される)

人生を野球に例えれば、先発(W)ができるだけ長く投げて、中継ぎ(P)につなぐ、

最後はゲームが終わるまでクローザー(P)が投げ続ける・・ということになりますね。

野球は9回で終わらないときは、延長戦もありますから、人生のクローザーである公的年金にはしっかりと最後まで投げ切って、上手くクロージングをしてもらわねばなりません。

もっとも、野球と違うところは、人生には引き分けや再試合はありませんけどね(笑)


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