• 定年男子のランとマネー

勢古浩爾さんという、パソコンで文字変換すると時間がかかるお名前の著者が書かれた「定年バカ」という本を久しぶりに開けてみました。

書いてあることは、「定年後は自分の好きにさせろ」というポリシーを掲げて、世の中にある数多の「定年後はあーしろ、こーしろという定年本」を片っ端から切って捨てています。

あまりにぼろくそに言うので、好評らしくて続編も出版されていますね(笑)

アマゾンで見てみると、この方は「定年本」を何冊も出版されているようで、定年後関連本を「正攻法」で書くのではなく、「搦め手」または空中戦で攻めて戦果を挙げている感じがします。

定年後の3大課題は「健康・お金・孤独」と言われますが、この本では、

そんなことをごちゃごちゃ言うより好きなことをしたらどうかね」というスタンスがウケているようです。

僕もこれまで沢山の「定年本」を読み、ライフプランに基づく定年前後生活、それから相続などを自分で体験して、なんやかやと考えてきましたが、最終的には所詮は個別論で対応すべきで、一般論は気休めくらいにしかならないなあというのが実感ですね。

その気休めの一般論ですが、それでも定年を迎える方々にとって最も共通している心配事は、定年後にいくらのお金が必要なのか?ということでしょうか。

これも一般論なのですが、会社員であれば、現役時代に高収入を得ていた人も、そんなに出世しなかった人も、定年後にもらう年金額は現役時代の収入ほどの格差はありません。

詳しくはご自身の「ねんきん定期便」を見てほしいのですが、むしろ20歳から就職するまでに年金保険料を支払っていたか?のほうが年金額には影響しそうです。

年金額がそんなに格差が無くて、しかも多くないのであれば、終身もらえる年金をベースにしていくらくらい上乗せするか?を考えておいたほうがよいと思いますね。

定年後にコラムニストをされているある方は、サラリーマンなら65歳以降「年金+月8万円」くらいでやっていけるのではないかというご意見です。(住宅ローン返済済などの条件あり)

定年前で現役バリバリのある方は、65歳以降「年金+年収300万円」を目標にすべきと提言されています。月収にすると25万円なので、8万円とは相当な格差がありますね。

このお二人の意見の差は、ひとえに「定年後の現実」を体験したか、していないかの差だと思います。

年収300万円と言われている方は。現役時代の年収の感覚からか「たった」300万円と書いておられますが、実際に65歳になってみると、安定的に年収300万円を稼ぐのは結構大変なことが分かります。

実際に65歳になっても年収300万円以上稼いでいる方は一定数おられるのですが、僕の周囲のみなさんは、ほとんどフルタイム勤務です。年収300万円を時間給に換算すれば(160時間労働として)1562円になります。

これを非正規になって月間100時間労働で稼ごうとすれば、時間給は2500円です。

この時間給レベルはなかなかハードルが高い!

非正規労働と書いたのは、65歳を過ぎるとフルタイムの仕事が減少するということのほかに、65歳を過ぎると身体のあちこちに故障や不調が出てきて、とても毎日通勤電車に揺られてフルタイムで働くのに耐えられなくなる心配があるからです。

一度定年退職してしまうと、気持ちが萎えてしまって

身体は元気でも、フルタイムはもう嫌だ・・」という方も多いですね。

「年金+年収300万円」を目標にすることは、前向きなモチベーションを保つためには良いと思いますが、現実の定年後(65歳以降)を見据えると、「月収+10万円」程度を目処にして、時間給1000円(月間100時間労働)から時間給1250円(月間80時間労働)あたりを考えることが無難です。

逆に、年金+月収10万円だと、多くの方にとり月間30万円くらいにはなると思うので、その範囲で生活を送ることを考えたほうが賢明です。(年金と合わせても月収47万円以下になるので、年金を減額されずに済みます)

そのためには65歳になる前に、収入を考えるより先に、自分の実際の支出金額と内容を把握することが一番重要です!!(個別論ですが 笑)

つまり収入はなかなか増えないけれど、支出は上手く意識を変化させると減らすことが可能ですので、支出をコントロールできたならば、月収10万円の仕事を見つけて、月のうちの半分くらい仕事をしたら、あとの半分は楽しく遊んで暮らす(再度の個別論ですが 笑)というのは如何でしょうか?

きっと勢古さんも「定年バカにならずによかったな」と賛成してくれると思いますよ(笑)


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