• 定年男子のランとマネー

5月15日、3年ぶりにKobo Trail 「弘法大師の道」が開催されました。

Kobo Trail は弘法大師空海が、吉野を出て高野山を開山した故事にちなんで、

吉野金峯山寺から高野山金剛峯寺までの55.7キロのトレイルを走る大会です。

このコースは、2つのお寺の頭文字をとり、KtoKコースと言われています。

別に、サブコースとして、昔から修験者の宿として栄えてきた洞川温泉を出発する

43キロのコースもあります。

このコースは、DtoKコースと呼ばれています。

私は、2017年にDtoKを完走した後、2018,19年にKtoKに挑戦しましたが、

2回とも、関門アウトでゴールできずに終わりました。

その後、コロナ禍で2020,21年は中止となったので、

何か忘れ物をしたような気がしていました。

昨年11月に心臓手術を受けて、リハビリレースを考えたときに、締めはKoboにしようと

決めました。

しかし、手術後と年齢を考えると、KtoKはさすがに無理だろうと、DtoKにエントリーしました。

前泊とご祈祷

洞川温泉は、修験者(行者)が宿泊する宿として、栄えてきた場所です。

街並みは、道路の両側に温泉旅館が軒を連ねています。

私の宿泊した旅館のお風呂は、「行者の湯」と書いてありました。

大会参加者は、天川村体育館での説明会のあと、安全祈願のため、龍泉寺で護摩祈祷を

やっていただきます。

そのあと、希望者は龍泉寺の池で「水行」もできます。

私は、2017年に水行をやりましたが、池の水温がかなり低くて寒かったことを覚えています。

その時に一緒に水行で祈祷を受けた友人のランナーは、鼻かぜをひいてしまって、翌日苦労していましたね。 笑

スタート当日

スタートは午前8時です。

同宿のランナーの方と記念写真。

水行で鼻かぜを引いたランナーとも再会して記念写真。

スタート後は、すでに午前6時にスタートしているKtoKのランナーと、5キロほど走ったあとで、小南峠で合流します。

小南峠へ上がっていくと、毎年ランナー応援に来ていたご夫妻が、今年も来てくれていました。

お二人ともラン友で、応援の言葉をもらって、記念に(何故か)奥さんと写真を撮りました。

ここから武士が峯エイドまでが長丁場です。

実はレースプランを考えるときに、これもラン友のイグちゃんのチャートを参考に

させてもらいました。

各エイドまでの想定所要時間と通過目標時間を計算するのですが、チャートには各エイドの入りと出の時間まで書きこみます。

ランナーは、厳しいコースを走破してエイドに辿り着くので、余程意識していないと

飲み物をとり、補給食を食べ、トイレに行って、エイドでの滞在時間が長くなりがちです。

私は、3か所のエイドの出発時間と、滞在時間を書き入れたチャートを首からぶら下げて、

エイドに着くたびに時間を確認していました。

おかげで、チャートの予想ゴール午後7時を、14分オーバーしただけで、無事ゴールすることができました。

もう一つのアドバイスは、出発前日に受け取った安藤コーチのメルマガです。

時間ばかり気にすると、脳が疲れて、早く疲労する・・という内容でした。

気持ちよく走っているならば、あまり時間は気にしないで、ポイントでチェックする

くらいでちょうどよく、途中はむしろ時間のことは、忘れて走りました。

そんな感じで山登りをしていると、北海道の雪山ばかりを歩いている、東大阪市の女性二人と会って、会話しながら武士が峯に到着。15分休憩して、予定通り12時半に出ました。

途中でゲストでプロランナーの鏑木さんに抜かれましたが、なんとなく少し調子が悪そうでしたね。

武士が峯からは、3キロくらいの林道のあと、乗鞍岳の激登りです。

そこまでポールをリュックに付けて走っていましたが、ここからポールを使うことにしました。

乗鞍岳の激登りで苦しんでいると、後ろからKtoKのランナーに抜かれました。

「あれ?上山さん。一緒に写真撮りましょうか?」

大阪城練習会でのラン友さんですが、3月末に東京へ転勤したので、久しぶりの再会です。

でも、彼は100マイルを走るランナーなので、あっという間に置いてきぼりでした。

天辻峠エイドを、予定より10分遅れの14時10分に出て、出屋敷峠のチェックポイントに向かいました。

ここは2019年に、1分差で関門アウトになったところです。

出屋敷峠に向かう途中で、「しんどいぞー」と叫ぶ女性の声が聞こえました。

ラン友の美香さんです。

しんどいぞーという割には、あっさりと追い抜いていきました。

ゴール順位は、KtoK女子8位だったそうです。

出屋敷峠に下る道は、かなり急な下りです。

今回は、前日まで降り続いた雨で、全コースとも、下りがとても滑りやすくなっています。

特に出屋敷峠手前は危険なのですが、危険とわかっていても派手に滑ってしまい、

結構きつく転倒しました。

お尻を強打して、しばらく立てませんでしたね。

ここから、多分松茸の山だからだと思うのですが、保護ネット添いの急坂を延々と5キロ登り、

紀和隧道を越えて、両側の有刺鉄線を掴まないように注意しながら、

(急坂なので、バランスを崩すと思わず掴みそうになる)、

延々と続く、緩やかな登りの林道を走ります。

私は、この林道で心が折れそうになりました。

どう考えても、チャートの予定時間に着きそうもないし、どこまでも終わらないのです。

林道から舗装路の出口が見えたときは、きっとあれは「蜃気楼」だと思ったくらいでした。笑

ようやく天狗木峠に着いたときは、チャートから30分遅れの、午後6時。

ちょうどペースメーカーがエイドを出るタイミングでした。

(ペースメーカーのゴール目標時間は、午後7時でした)

私は、疲れ切っていたので、予定の5分を7分滞在にして、午後6時7分に出発。

実は、冷えてきて寒くなってきたので、長く休んでいられなかったのです。

天狗木峠エイドから、ゴールまでは7キロのロードです。

これが結構ツラいのですが、そんなことは言っていられません。

ゴールタイムは午後7時14分だったので、7キロを約1時間で走ったことになります。

ゴールした時は、心底ほっとしました。

ゴールは高野山の根本大塔で、お賽銭を上げて手を合わせます。

過去2回の関門アウトと今回を合わせて、小銭を3枚賽銭箱に入れました。

これで、忘れ物は回収です。

3年越しの荷物を肩からおろした気分です。

ゴールでは、小南峠で応援してくれたご夫婦がいて、ゴール写真を撮ってくれました。

荷物を取りに行くと、乗鞍岳で抜かれた東京のラン友さんに、またばったり会って

しまいました。笑

さっさと着替えて、バス停まで急いで、高野山駅―極楽橋―橋本―新今宮―鶴橋―五位堂で

帰宅しました。

家に着いたら午後11時半。

長い一日でしたね。

忘れ物とリハビリ

この2年間で、各種の病気をして、最終的に心臓手術に至りました。

「リハビリして絶対に復帰するぞ!」とばかりに、

今年になって、ハーフ2本、ダイトレ36キロを8時間で走りました。

今回、Kobo43キロ、11時間を走って、翌日に不整脈も出ないので、リハビリは

終了です。

忘れ物も回収したので、すっきりした気分です。

いろいろあった中で、応援してくれた方々、練習などにお付き合いいただいた方々、

その他の方々(笑)、皆様全員に厚くお礼を申し上げます。

これから、何をするかは決めていませんが、またブログやFBなどでご報告しますので、

面白いと思った方は、応援するか、一緒に遊んでくださいませ。


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