先日、ブラジルからの訪問者をバイト先のオフィスで迎えたときに、お互いの経歴と、
現在やっていることを披露しあって、「年を取るほど、新しいことをやったほうがいいね」と意気投合して盛り上がりました。
彼は、ブラジル人で日系3世。祖父母が福岡県出身。
彼の妻は、福島県からの移民の2世。
子供が3人いて、下の娘がスタンフォード大学のMBAに入学したそうです。
彼は、世界各地で銀行業務に30年間従事し、そのあとIT企業に5年間勤め、
年を取ったので、生まれ故郷のサンパウロ市に戻って、スタートアップ企業を育成
する事業を始めました。
彼は、スタートアップ企業に、少額ずつ出資しながら、若い人たちをサポートしつつ、
彼らから、いろいろなことを教えてもらっているそうです。
片や私は、彼ほどのスケールはありませんが、若いころに海外で仕事をして、40代以降は
主に関西を拠点にする仕事に転じ、定年退職後は、それまで無縁だったスタートアップ企業の管理部で週3日働き、その次は海外金融機関の誘致窓口で週3日働いています。
スタートアップ企業も誘致窓口も、お手伝いのつもりで始めたのですが、仕事から学ぶことがたくさんあり、学んだことを学習する必要にも迫られています。
また、ご縁があって、大学のシニアコースで、国際政治シリーズの米国を担当することになり、米国の政党(共和党と民主党)分断(人種差別・貧富の格差)米中対立などをテーマに
90分ずつ授業をすることになりました。
そんな話を二人でしていると、「年を取るほど、経験を積むのだから、その経験を生かして
どんどん新しいことにチャレンジした方が、人生も面白く生きられる」という結論に
至りました。
その2日後に、私が登録している「国際社会貢献センター(ABIC)」の懇親会が
梅田で開かれました。
ABICは、商社マンとして長く海外で活躍した人たちが、定年後に各自の経験やスキルを
社会に還元することが活動目的の一つです。
会場に集まった約50名は、関西らしく、ほとんどが伊藤忠・丸紅などのOBで、銀行出身の私はマイノリティ 笑
少し遅れて行ったら、席がいっぱいで、空いていたのは理事長前のみ。笑
(理事長は、大手商社出身のエライ人です)
はじめは、空腹だったので、パクパクとひたすら食べていたのですが、そのうち理事長
やその隣の弁護士の女性(どうやら商社出身?)と会話が始まりました。
はじめは、銀行での経験などの話でしたが、話題がABICから紹介された、大学のシニア
コースでの授業のテーマ「米国の政治」に及ぶと、弁護士さんと理事長が俄然多弁になりました。
二人から「バイデンはあんな高齢なのに、なぜ大統領を続けようとするのか?」とか
「米国の黒人差別は、なぜ無くならないのか?」など、答えるのに窮する質問を連発され、
コメントを返すと、「いや、そうは思わない」などと話が盛り上がりました。
ひとしきり話した後で、理事長は「授業で答えのない問いを考えるのは、高齢者にとって
刺激になる。常に新しいことにチャレンジして、答えを考え続けることで、人生は面白く
楽しくなる」といったようなことを(酔っぱらっていたので、正確には覚えていませんが)
言っていました。
奇しくも、これは数日前に会ったブラジル人と意気投合した時の言葉と同じです。
黙って、我々の話を聞いていた、私の隣にいた人も、最後は笑って頷いていました。
年齢を重ねて、新しいことにチャレンジし続けるのは、エネルギーが必要ですが、
気持ちを前向きに持ち、楽しく毎日を送るには、良い方法のようですね。