• 定年男子のランとマネー

劇的なゴールイン

 

 

一年前に「弘法大師の道Kobo Trail 2017のショートコース(43キロ)をラン友のTさんと完走しました。

弘法大師が吉野の金峯山寺から大天井が岳(標高1439メートル)経由で高野山の金剛峰寺を開いた道のうち、

洞川温泉から高野山までを走ったのですが、険しい山道が続き「もう結構」とお腹一杯になったのを覚えています。

ところがTさんはすっかり「弘法大師の道」に魅せられてしまい、

昨年の大会直後に「来年は全コース(55.7キロ)を一緒に走りましょう」というお誘い(?)がありました。

Tさんはこの一年間、「弘法大師の道」を完走するために凄い努力を重ね、実力的には厳しいという専門のトレーナーにも協力してもらって、

ギリギリ完走プランを作成して大会に臨みました。

僕も約束した以上、自分のレベルを上げるために一生懸命努力しましたがTさんの熱意には及びませんでした。

2018年5月20日午前6時、僕もTさんと一緒にスタートラインに並び、ほら貝の大合奏に送られて金峯山寺蔵王堂から走り出しました。

しばらく行くと早速急な坂道が始まりました。

もっと行くと更に急登になり、山というより壁に向かって真っすぐ登っていくような道が続きました。

僕たちは最後尾に近かったのですが、粘土質の土が前日の雨で柔らかくなり、

沢山のランナーに踏まれた跡がずるずると滑って足に負担を掛けてきました

大天井が岳を過ぎての急斜面の下りをTさんはサクサクと降りていきます。

1年間の練習の成果ですね。

僕は途中で右の脹脛が攣ってしまいました。

ランニングで足が攣ったのは2回目です。

(1回目は1996年に米国でアトランタマラソンを完走して、帰りに車で高速道路を運転していて突然右の脹脛が攣った時です。

あの時は怖かったなあ)

僕は右足に注意しながらTさんを追いました。

Tさんは快調です。

前回と違って僕が追いかける形なので、余り話はしませんでした。

Tさんはとても集中しているように感じました。

小南峠を越えて第二エードへ向かうところから、少しずつ僕が遅れだしました。

足を引っ張るわけにはいかないので、いくつかのピークを越えた後、Tさんには先に行ってもらいました。

それでもTさんは一度待ってくれていました。

そのあとも後続の僕を気にしてくれていましたが、徐々に差が開いてTさんの姿が見えなくなって、再度追いつきかけたときに

僕は地面ばかり見ていたらしく道を間違えてロストとしてしまいました。

焦ってたのでしょうね。

すぐにロストに気付いて戻り、10分強をロスしましたが、これで追いつくことは不可能になりました。

最終的にTさんは、トレーナーが作ったギリギリ完走プラン通りに制限時間12分前に劇的なゴールを果たしました

Tさんはゴールした時に、高野山金剛峰寺の根本大塔の階段を舞台に見立てて、ゴールの賽銭箱をバックにして

出迎えのラン友や大会関係者に対して大声で「見得」を切りました

その時のTさんは、まるで宝塚女優のようでしたね。

素晴らしいゴールシーンを見ることができました。

Tさんとの約束は果たせませんでしたが、見事にゴールしたので約束は「終わり」ということにしてもらおうと思います。(笑)

一人旅

Tさんと別れてから一人旅を続けましたが、走っていて前後に何度も転倒しました

結構派手に転んだこともありました。

怪我は擦り傷程度でしたが、トレイルランを始めて6年くらいでほとんど転倒したことが無かったので

あのときは多分フラついていたのでしょう。

(自分ではしっかりしているつもりです (笑))

ポールを突きながら走っているのに倒れるので、両足が身体を充分に支えていなかったのでしょうね。

Kobo Trail 2018の挑戦が決まってから練習量を増やしましたが、その分疲労が溜まるようになりました。

40代や50代のころと違って、60歳を越すと一度疲労が溜まるとなかなか解消しません。

今年に入ってから時々両足のハムストリングスに張りや痛みを感じるようになりました。

Kobo Trail 2018の練習のためにスケジュールを立ててロードやトレイルの大会をいくつか入れましたが、

蓄積した疲労もあって後半失速することが増えました。

オーバートレーニングだと思って練習量を減らしましたが、張りは恒常的になってきました。

このあたりのセルフマネジメントが上手い人がアスリートとしてレベルアップしていくのでしょうね。

とうとう大会の一週間前にハムストリングスに加えて左足の膝と足首の筋肉が張って歩きにくくなったので

整体で筋肉を柔らかくしてもらって参加しましたが、

修験者が歩く「弘法大師の道」は甘くなかったということでしょう

第二エードまで頑張って走れば通過できる時間でしたが、

大きな怪我のリスクや、もしもフラついて崖から滑落すると周囲に迷惑をかけることを考えて

スピードダウンして安全に歩き、関門でDNFすることを選択しました。

でも足がこのままではロングレースに出場できないので、立て直しを考えます。

DNF

これでDNFは三回目です。

飛騨高山ウルトラ100キロ
村岡ダブルフル100キロ
Kobo Trail K to K 55.7キロ

いつかリベンジしたいけど、どれもハードルが高いなあ。
せめてこれ以上増やさないようにしなくては(笑)


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