• 定年男子のランとマネー

10月10日、奈良県橿原市で大和八木SG主催のFPセミナーに参加しました。

テーマは「円満な相続の実現のために必要な知識とFPの役割」です。

講師は、FP協会大阪支部の前支部長(現在は近畿ブロックの副ブロック長)である平井寛さんです。

平井さんはFPとして独立して20年以上になる、知識・経験ともに大変豊富な方です。

講演の前に少しお話する機会があったのですが、そこで言われたのは

「知識はネットをみれば書いてある。今日は知識の話もするけれど、FPとして何が大切かをお話ししたい」ということでした。

講演の内容は、有料セミナーなので詳しくはご紹介はできませんが、相続現場の事例に基づく具体的なお話でした。

お話の中で力点を置かれたのは相続によって引き起こされる家族間の「気持ちの問題」を、どのように円満な解決方向に持っていくかということと、その場におけるFPの役割についてでした。

冒頭に平井さんが言われた「知識ネットに書いてある」のは事実なのですが、

ネットの知識は玉石混交で、どれが正確な知識かを判断するためには、それこそ「正確な基礎知識」が必要です。

それに大抵の場合、一般の人は相続に慣れているわけではなく、大切な人が亡くなり気持ちも揺れ動いていることが多いので、冷静な専門家の知識と判断は極めて有効です。

特に、平井さんは、相続が起こってからではなく、できれば起こる前に、時間をかけて対策を練っておくことが大切だと言われます。

お話を聴きながら思い出したのですが、自分の父親が認知症になり、母親(身体障碍者)から面倒を見てくれと言われたときにまず考えたのは、医者の診断や施設の利用などの必要なことのほかに、父親の意識がはっきりしているうちに、資産を現金化して母親名義の銀行口座に半分を移しておくということでした。

こんなことがおこらないと、ふつうは親子といえどもお金の管理は別々ですし、親から教えてもらわない限り「どれくらいの資産を持っているの?」とは聞きにくいですよね(笑)

(でも母親からは、「あんた、お金は大丈夫?」とは聞かれた事がありますけど 笑)

自分が長く銀行に勤めていて、預金の解約などには本人直筆の書類が必要であることや、お客様が亡くなった時に、預金を引き出せなくてご遺族が困っておられた事例をたくさん見たので、父母のどちらが先に行動不能になっても、残りの親が困らないようにしておいたのです。

その後、父母は僕の自宅近くにアパートを借りて引っ越したのですが、高齢ではなかなか貸してくれないところを、近くに息子が住んでいるからということで賃貸できました。

(大家さんは、ときどき母に野菜などを持ってきてくれていました。気になっていたのかもしれませんね 笑)

父母と数十年ぶりに近くで暮らすようになって、初めて介護保険やケアマネージャーさん、ヘルパーさんの存在を知りました。

介護保険の要支援・要介護認定の仕組みと介護レベルに沿った点数制による介護制度の利用は本当に助かりましたね。

できれば、親の介護が始まる前に、介護保険の一通りの仕組みを、なんとなくでも知っておくほうが良いと思います。

現在の定年退職の身には、正直なところ介護保険料はお高く感じますが、過去に助けてもらったことを考えると「ちゃんと払わないと・・」という気になりますね。

父親は僕の自宅近くに引っ越してきてから、環境の変化もあったのかもしれませんが、認知症の症状が進行して、自宅で生活が出来なくなってグループホームから病院の慢性期病棟、最後は特養に入って8年後に亡くなりました。

母親の頭脳はしっかりしていて、一人暮らしになってもヘルパーさんの助けを借りてできるだけ自活していたのですが、膝が悪くて歩けなくなったので、我々夫婦が父親の見舞いに行くなどに加えて日常のことを手伝うことも増えました。

そうなると問題は日々のお金です。

アパートの玄関から外に出るのも一苦労なので、せっかく銀行口座にお金が置いてあっても母親は引き出しに行けないのです。

仕方なく、日常使う程度のお金は現金で預かることにしましたが、ほかの兄弟もそれぞれ母親を訪ねて、助けてくれていたので、母親の承諾を得て、兄弟全員がそれぞれ少額のお金を預かって、自分たちが母親を訪問して買い物を頼まれた時のお金などに使うようにしました。

こうすることで、兄弟間に不満や不安が生じないようにした記憶があります。

父親が教育者だったからか、自分中心ではなく相手の立場に立って考えることを心掛けるように教えられたことと、FP知識(AFP資格取得は2001年です 古っ!)をもとにして、介護と介護にかかるお金のことについて父母や兄弟の気持ちになってやってみました。

父母や兄弟の本当の気持ちは、聞いたことがないので実はよく分かりませんが、自分ではできるだけのことをやって、父母も穏やかに人生の最後を迎えてくれたのかなと思っています。

母は父が亡くなってから5年後に他界しました。

おかげさまで、父母の亡きあとも兄弟は以前と変わらずの関係(交流は減りましたが)を続けています。

もちろん、僕も「多少は親孝行ができたかな?」という満足感を持って暮らしています。

このようなことを思い出しながら、平井さんのお話を聴いていました。

最後に平井さんは、FPの役割を、顧客から信頼を得て、心の底にある本当の想いを聞き出すこと、そして専門家とのネットワークを活かして、顧客の想いの実現への実行支援をすることと位置づけられていました。

FPの役割は、これまで仕事で心掛けていたこと、両親や兄弟にしたことととても似ているなあということが改めて分かって、自分もFPとして誰かの役に立つことをやってみたいと思いましたね。

僕にとってはとても収穫があったセミナーでした。



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