• 定年男子のランとマネー

先日「老後の仕事の見つけ方」という題で、ブログを書いたのですが、読者の何名かから

コメントを頂きました。

お読みいただいて、そのうえ反応があるのは嬉しいですね。

老後の仕事探し – 定年男子のランとマネー (grc-con.com)

頂いたコメントの中に、私の年代で、「完全にリタイヤして、趣味がボランティア

みたいな人は少数派ですか?」という質問がありました。

ブログでイメージした「仕事」は、労働の対価として賃金を受け取る、という意味でしたので、お金を労働の対価として受け取らないボランティアは、考察の範囲外でした。

しかし、仕事の定義を、お金を受け取らない社会貢献まで拡張して考えると、

ボランティア活動をする人が、たくさんいても不思議ではありません。

ランナー仲間では、マラソン大会や友人がでるレースに、ボランティアで参加する人は数多くいます。

FP活動のうちで、スタディ・グループ(SG)運営は、ボランティア活動です。

こう考えると、時間的に余裕がある高齢者はボランティア活動に向いていそうですね。

しかし、現役時代から継続している活動を除けば、

老後に新しくボランティア活動に従事する人は、私が知る範囲では少数派です。

何故でしょう?

お金という価値観とプライド

私の世代は、社会人になってからは、お金というものに振り回されてきました。

良い大学に入り、良い企業に入り、肩書を上げて出世にまい進する・・ということは、

簡単に言ってしまえば、収入を上げるという点に集約されます。

収入つまりお金を多く稼ぐことが、すべからく「善」だったのです。

よく言われていたのは、同期入社の人と給与が100円でも低いと、

会社の評価が低いということで、大ショックという冗談です。

(ホントかもしれませんが 笑)

ところが、老後になり、肩書も(年金以外の)収入もなくなり、ただの人になったあとも、

ものごとの価値を図る主要な手段は「お金」のままです。

例えば、アルバイトで賃仕事に従事するときに、真っ先に気になるのは「時給」です。

時給のレベルと、金額が最低賃金をどれくらい上回った仕事なのかなど、

気にすることはまずお金の多寡でしょう。

しかし、ボランティア活動に従事するときに、お金という価値の基準は最初に除外されます。

むしろ、活動のために持ち出しになることも多いと思います。

そこで大切なのは、無給でも長く継続できるかということです。

こう考えると、まず気にすべきことは、

それが自分が本当にやりたいことか、

次に一緒に活動する仲間とは、上手くやっていけそうか等だと思います。

端的に言えば、まず自分自身の価値観というものがあって、自分の価値観を基準にして

やりたい、そしてやるべき仕事と納得できること、

次に、一緒に仕事をやる人と、自分の価値観がまずまず合致しているか、

などがとても重要になります。

ところが、私が感じるところでは、自分の価値観に従って、老後に本当にやりたいことを、

明確には意識している人は、案外少ないのではないかと思います。

(もちろん、自分の価値観に従って行動を起こす人も、少なからずおられます)

また、会社組織で長く上下の関係に慣れ親しんだので、

ボランティア活動での横の人間関係には、恐ろしいほど不慣れだと推測します。

もちろん、これは中高年男性の話で、横の人間関係に強く、共感力が高い女性の方々は、

男性に比べて、すんなりとボランティア活動に入っていくようです。

「私には、余計なプライドなんか無いねん」

これは、仕事のスタンスについて、何かの会話をしているときに、妻が私に言った言葉です。

彼女の言う通り、定年退職して、ただの人になった人に、

上下関係のプライドは不要です。

(人間としてのプライドや自信は、もちろん非常に大切です)

おそらく、気持ちよくボランティア活動をするうえで、上下関係のプライドは

自分にとっても周囲にとっても、とても邪魔でしょう。

こう考えると、定年退職した会社員にとり、ボランティア活動のハードルが高いならば、

自分が、会社員時代のプライドを引きずっていないかを、自問したほうが良さそうですね。


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