• 定年男子のランとマネー

今月号のFPジャーナルは介護問題を特集しています。

記事には、各種制度や事例が紹介されていて、とても役に立ちそうです。

これらの記事を読んでいて、思い出したのが、自分の両親の介護でした。

介護保険法の成立は、1997年12月で、施行が2000年、同時に介護保険制度が

スタートしました。

「父の様子がおかしい」と、母から相談を受けたのは、2000年代の初めでした。

当時の私は会社員で、FPの学習は行っていたものの、資産運用などが中心で

介護保険の知識は皆無でした。

母親は、心臓病を患っており、膝が悪くて、日常生活に不便を感じていたので、

母親と一緒に、父親を医者に連れていく、医者に話を聞くなどを、勤務の傍らにやっていました。

後で分かった病名では、父親はパーキンソン病による認知症でした。

(詳しく言えば、国が指定した難病の一つでした)

母親は、徘徊やせん妄が始まった、認知症の父親の世話はできなかったので、

弟たちとも協力して、グループホーム、病院、特養と各種の施設への入居を、

頼んで回りました。

介護保険制度

介護保険制度では、ケアマネージャーが担当になって、施設の紹介、ケアプランの策定などをやってくれることになっています。

ところが、父親の担当になったケアマネージャーさんは、

「認知症患者は可能な限り自立させるべきで、介護は自治体に頼らずに、配偶者や子供が

行うべきだ」という考え方の人でした。

在宅介護の方が、認知症患者にとっては良い方法だという意見もあると思いますが、

難病の父親の介護を、身体障碍者の母親と私たち兄弟に全部やらせるのは厳しいといって、

母親はケアマネージャーとよく口論していました。

我々夫婦も仕事を放り出して、在宅の父親を見ているわけにもいかず、そのうち母親も

膝が悪化して、歩行が困難になってきたので、医者に相談して、

FPジャーナルにあるような各種の施設を調べて、父親が入居できるかを聞いて回りました。

(介護度などによって、入居資格が決まっていたので)

妻も弟たちも協力してくれたので、各種の施設を遍歴した後、

父親は特養で最期を迎えることが出来ました。

父親が亡くなる前に、件のケアマネージャーさんが所属先を変わることになり、

母親に引き続き父親を担当させてくれないかと言ってきたそうですが、

母親は断ったそうです。

「あのケアマネージャーさんが担当していた人で、ついていく人はいなかったみたいや」

不思議な情報通の母親の言葉でした。

「それなら、もっと早めにケアマネージャーを変えておけばよかったね」

実は、母も私も、そもそも利用者がケアマネージャーを変えられるとは知らなかったのです。

母の介護

父親の経験があったので、母親が要介護になったあとは、注意してケアマネージャーを

選定し、事前相談を含めてケアプランを作ってもらいました。

介護認定でも、適宜助言をもらうことができ、母親は父親の3回忌を自宅で済ませたあと、

ケアマネージャーに紹介してもらった施設のうち、自分が気に入った施設に、

暫定入居期間を経て、入居しました。

施設内での大腿骨の骨折事故が原因で入院して、手術したあとも、早く施設へ帰りたいと

言っていましたが、退院予定日に迎えに行って、我々夫婦が食事に出ている間に、

突然意識を失い、数週間後に静かに亡くなりました。

自分たちの介護

今考えると、わたしの両親の介護は、ちょうど介護保険制度の発足とともに

始まった感じがします。

当時は、介護保険の考え方も。介護保険制度自体も、よくわかっていなかったので、

両親の世話は子供がするものだという、戦前からの伝統的な考えと、

そんなことをしていたら、子供の側の生活を維持することが難しくなるという現実の間で

悩みながら、老いてゆく両親の実態と向き合っていたように思います。

10年超の介護生活を経て、我々夫婦の現在の考えは、介護はプロに任せるべきと

いうものです。

介護保険制度も発足後20年が経過して、制度自体が社会に定着し経験を積むことで、

プロのケアマネージャーやヘルパーさんが育ってきたのではないかと思っています。

もちろん、給与を含む待遇面で改善の余地は沢山あると思いますが、老いた人間は

若かったころの元気な人間とは違うのですから、老いたら老いたなりに、プロの方の

お世話になったほうが良いように思いますね。

我々夫婦も、そろそろ「老々介護」について考えておくべき年代になりました。

これから、老いが進むにつれて、家族信託や後見人、遺言書や延命処置の有無、

お墓のことなど、子供に伝えておくことや考えておくことが増えると思います。

早手回しをし過ぎると、かえって後で困ることもあるのですが、

意識がはっきりしているときに、必要な意思表示はしたほうが良いので、

そのあたりが悩みどころです。

もうそのようなことを考える歳になった、ということですね。(苦笑)



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