• 定年男子のランとマネー

2日目の朝は富山の夜明け。

今日の日程は、今回のメインイベントである立山・黒部アルペンルート。

午前8時半にホテルをチェックアウトしてバスに乗車。

バスの席は決まっているが、貸し切りで余裕があるので、ゆったりしたい人は後ろでゆっくり景色を楽しめる。

我々は2列目だったが、妻はゆっくり景色を楽しみたいからと、10列くらい後ろに移動。

お互いに別々の席で過ごすことに。

立山駅に着くとモンベルショップがあったので入ってみた。

外国人も含めた登山者が店内に沢山いて買い物をしていたが、ここで商品を買って使うのだろうか?それとも山まで持って上がるのかな? 笑

立山駅から立山ケーブルカーに7分乗って美女平へ。

美女平からパノラマバスに約一時間乗って室堂へ。

美女平の標高は約1000メートル。室堂の標高は2400メートルなので、バスは一気に雲の中を1400メートルも上がることになる。

途中で、日本一の落差350メートルを誇る称名滝が雲の中でかすかに見えた。

室堂は気温10度台で寒いと聞いていたので、ダウンにレインを持って行ったが、着いてみると風もなく陽が差していて暖かかった。

前日は3連休の中日で大混雑していたようだが、連休最終日の今日は少しマシのようだ。

それでもレストランには長蛇の列。

我々は昨日仕込んだ昼食用のパンを広場でそそくさと食べて、室堂散策に出た。

コースは30分と一時間があるが、自由時間が一時間半程度だったので、みくりが池を一周する一時間コースを歩いた。

周囲の山々の景色がとれも素晴らしくて、立ち止まっては写真を撮った。

池の反対側には雷鳥沢に向かうルートもあり、このあたりからが登山のルートなのかもしれない。

今年は、北穂高岳、北岳と登山を計画したが、天候不順で登れなかったので、室堂で美しい山々を見ることができて本当に良かった。

みくりが池をゆっくりと一時間弱で一周してターミナルビルへ戻ったが、あとからやってきた人も加えて大混雑だった。

トイレに行って、椅子を見つけて残ったもう一つのパンを食べて待っていると集合時間になった。

室堂からは黒部ダムへ向かって下山。

まず電気バスでトンネルを10分走って大観峰につく。

ここからはるか下に黒部ダムが見えた。

さらに立山ロープウェイに乗り換えて、変わりゆく紅葉を楽しみながら黒部平まで降りた。

黒部平の展望スペースから、黒部湖や立山連峰を眺め、さらにケーブルカーに乗り換えて

黒部ダムに到着。

黒部ダムは幸運にも放水中で、みていると放水中のダムは流石に迫力あった。

黒部ダムを渡った展望台には湧水があったので、記念に飲んでみたら冷たくて美味しかった。

黒部ダムからさらに電気バスに乗って扇沢駅に。

扇沢駅にはバスが待っていてくれて、そそくさとバスに乗り込んだ。

時間は午後5時。

ここから1時間半かけて長野市のホテルに向かう。

乗り物と散策で疲れたので、バスで帰ろうと思って少しシートを倒して目をつむった。

しばらくウトウトとしていると後ろの座席から男性2人の話声が聞こえてきた。

この2人は旅行の出発時からずっと会話している(たぶん)60代の知人同士だ。

聞くともなく聴いていると、私の昔の職場でお世話になった人の名前が一人の口から飛び出した。

その人は珍しい姓を持っていて、所属も海外部門だったので間違いはない。

お互いの知り合いかもと思って、少し親近感を持って聞いていると、一人が私の先輩の

定年後の就職先について否定的なトーンで語り始めた。

(あれっ?)と思って聞いていると、先輩の職場(つまり私の昔の職場)を貶し始めた。

(同業の人かな?)と思っていると、次に矛先は三菱商事に向き、その次は住友電工、さらには三井住友建設の合併後の処遇に及んだ。

(な~んだ、知ったかぶりか)と思ったが、その次に話している2人の共通の知人の振る舞いについて、認知症が入り始めたのではないかと笑い合い始めた。

聞いているとだんだん不愉快になってきた。

この旅行には男2人で来ているのだが、奥さんは別で友達と旅行に行くらしい。

(そうだろうなあ)と思いつつ寝ようとしたが、その人の声が耳について眠れない。

話している人の声が低いがよく通る声で、話し方がシニカルかつネガティブなので

言わば「癇に障る」のだ。

昔テレビで流れていたアニメ「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造のような感じなのだ。

愛煙家には申し訳ないが、まさに「受動喫煙」にさらされたようなものだった。

悪夢の1時間半(渋滞で遅延したのでもう少し長かったけど)を過ぎて、ホテルでの夕食時に妻にこの経験を話したところ、

「女性2人の母娘ペアも、若い方がずっと話していて、それがまさにネガティブトーンで

よく声が通る人。同じツアーにそんなのが2組もいると辛いよね。本人たちは自覚ないし、

話しているだけだから添乗員さんも注意できないし」

その日は到着が遅かったので、夕食後に温泉に入って、早々に就寝した。


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